「不登校」「ひきこもり」を考える

親が身につけるべき「正しい話の聞き方・伝え方」10原則~⑦

写真はイメージ(C)iStock

 先日、不登校の息子さんがずっと自室でゲームばかりしていて「親子の対話はまったくない」「このままでは大学にも進学できない」と嘆かれるお母さまがおられました。どんなゲームをされているのか?と尋ねると、「知りませんよ」「それどころじゃないですよ」とやや苛立たれました。気持ちはわかるのですが、逆なのだと思います。

⑦くだらないと思っても、相手の話したい内容や行動に付き合う

 今、本人が一番熱中していることについても「ゲームだから」「アニメだから」と自分には関心が持てないと拒絶したり、子の現実逃避を増長させるのではと考えるのではなく、まずは「何がそんなに楽しくて熱中しているのか」--。そこから話を聴くことを始めてみてはいかがでしょうか。唯一の楽しみであるゲームの話すら安心して話すことのできない親御さんに、どうして心の内のデリケートな話をできるものでしょうか?

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最上悠

最上悠

うつ、不安、依存症などに多くの臨床経験を持つ。英国NHS家族療法の日本初の公認指導者資格取得者で、PTSDから高血圧にまで実証される「感情日記」提唱者として知られる。著書に「8050親の『傾聴』が子供を救う」(マキノ出版)「日記を書くと血圧が下がる 体と心が健康になる『感情日記』のつけ方」(CCCメディアハウス)などがある。

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