病気になりたくなければ怒りを手放せ

「イライラのもと」を探しだす

 もちろん、これらの感情も決して気持ちがいいものではありませんが、怒りでイライラしたりキレたりするよりはずっとマシ。健康にも人間関係にもダメージが少なくなります。

 もし、相手に何か伝えたい時にも、「怒りの感情」をぶつけるのではなく、この「怒りのもとの感情」を伝えればいいのです。「契約が取れると期待していただけに残念だよ」「やっと家でくつろげると思って帰ってきたのに、君がイライラしていてつらいよ」といった感じです。

 人は相手から怒りの感情を向けられると、自己防衛するために態度を硬化させたり、攻撃的になったりします。怒りから別の感情にシフトさせてメッセージを伝えたほうが、相手もスッと受けとってくれるはずです。

▽奥田弘美(おくだ・ひろみ) 精神科医。日本医師会認定産業医。山口大学医学部卒。都内20カ所の企業でビジネスパーソンの心身のケアを行いながら、「銀座スキンクリニック」ではコーチング・カウンセリングも行う。著書多数。5月には新著「女医が教える 働く男の怒りと疲れをパワーに変える処方箋」(メディカルトリビューン)を発売。

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