「悪玉コレステロール」退治 “食事制限”より先にやるべきこと

その人本来の体質によるところが大きい(C)日刊ゲンダイ

 ただ、数値がなかなか下がらないケースもある。Aさんは毎年、健診で悪玉の値が高いと指摘されている。週3~4回ジムに通っていて、体重は標準範囲内。卵や肉を頻繁に食べるわけではない。考えられる原因は、毎日の晩酌だけだったので、気をつけることにした。しかし、悪玉は一向に下がらないままだ。

「コレステロール値は、その人本来の体質によるところが大きい。体質的に標準または痩せ形なのに悪玉が高い人は、落とせる脂肪も多くないなど“ふり幅”が少なく、生活習慣を改善しても数値の低下を期待できない場合があります。Aさんの例が典型的です」

■早期から薬剤治療を行う場合も

 また、コレステロールは季節によって変動が大きく、下がった数字が再び上昇に転じることもあるという。

「体質的にコレステロールが高い人は、食事制限と運動だけでは不十分。自覚症状もなく、そのうち悪玉の数値が上昇し始め、気づいた時には動脈硬化がかなり進行してしまっているというケースがあります。ボロボロに硬くなったゴムホースが二度と元に戻らないように、血管も傷みがひどくなると、そこから治療を始めても大きな効果が得られません」

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