「悪玉コレステロール」退治 “食事制限”より先にやるべきこと

その人本来の体質によるところが大きい(C)日刊ゲンダイ

 坂本医師は、悪玉が基準値を超えている人は脂質異常症と診断。食事や運動の改善とともに将来的なリスクを考えて、血圧管理、カロリー管理を徹底している。さらに、血管年齢が実年齢より高い、または家族に心筋梗塞や脳梗塞の人がいる場合は、早期から薬剤治療を行う場合もある。

「米国では、2型糖尿病の患者さんにはすべてコレステロール値を低下させる薬を処方する指針を打ち出しています。日本の学会では賛否両論ありますが、私は心筋梗塞や脳梗塞になるリスクの高い方には『早期治療で早めの血管保護』が重要と考えます。生活習慣改善で数値に変化が見られなくても、遺伝的に数値が高い人を除き、適切な治療でほとんどの方が悪玉の低下を期待出来ます」

 心筋梗塞や脳卒中のリスクは、簡単な血管年齢測定または画像検査で推定できる。

「長年、患者さんのデータを見ていますが、同じ悪玉の数値でも、薬を飲んでいる人は飲んでいない人に比べて血管年齢の上昇が抑えられているという結果も出ています」

 もし、悪玉が基準値以上なら、脳梗塞、心筋梗塞の発症リスクを一度検査した方がよさそうだ。

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