有名病院 この診療科のイチ押し治療

【突然死の予防】横浜南共済病院・循環器内科(横浜・金沢区)

横浜南共済病院の西﨑光弘循環器センター部長(提供写真)

 ICDは、電池とマイクロコンピューターが搭載されている本体からリードが出ている装置。本体は左鎖骨下の皮下に植え込み、リード先端は静脈を通して心臓内におく。心室細動が起きたら自動的に感知して、電気ショックで心臓の動きを正常に戻す治療器だ。

「当科ではICDの治療を積極的に行っています。一度心室細動が起こると3~5分で脳死状態になる。たとえ助かっても低酸素脳症などの後遺症が出やすく、再発率も20%と高い。予防することで、患者さんはいつ突然死を起こすか分からない恐怖から解放されるのです」

 植え込みは局所麻酔と静脈麻酔で行われる。所要時間は2~3時間で、入院1週間。半年に1回の定期検査が必要で、6年ほどで電池が切れたら本体だけを交換(所要時間1時間、入院3~4日)する。

 1997年12月に現形のICDが保険適用になってから、同科の実施数は300症例以上にのぼる。

▽国家公務員共済組合連合会が運営する神奈川県内の病院(5施設)のひとつ
◆スタッフ数=常勤医師12人
◆年間初診患者数(2014年度)=736人(紹介患者58%)
◆ICD(植え込み型除細動器)実施数=年間約30例

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