耳鼻科の病気

鼻炎や無呼吸症候群でドライマウスに…

「ドライマウス」という病気をご存じの方も多いと思います。「口腔乾燥症」ともいい、さまざまな原因で唾液の分泌量が低下し、口の中が乾燥する病気です。

 10年ほど前から注目され始めた症状で、根本治療法は確立されていません。唾液が減ることで、口の中の乾燥や痛み、味覚障害などを起こすことが知られています。一般的には歯科の病気だと思われがちですが、実は耳鼻科に関係する病気でもあります。

 口腔内には1日に1~1・5リットルの唾液が分泌されています。耳の下やあごの辺りのぐりぐりを唾液腺といいます。唾液腺には耳下腺、顎下腺、舌下腺があり、唾液をつくり、管を通して口の中に唾液を出しています。

 ドライマウスを発症する原因のひとつに年齢があります。加齢により唾液の分泌は低下するのです。70~80歳は唾液量が若い頃の約半分に減るといわれています。

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大場俊彦

大場俊彦

慶應義塾大学大学院博士課程外科系終了。医学博士甲種日本耳鼻咽喉科学会認定専門医。日本レーザー医学会認定専門医。日本気管食道科学会認定専門医。米国耳鼻咽喉科・頭頸部外科学会フェロー。国際レーザー専門医。厚生労働省補聴器適合判定医・音声言語機能等判定医。日本耳鼻咽喉科学会騒音性難聴判定医・補聴器相談医。