耳鼻科の病気

歯科との連携が必要なケース

 そうなると、副鼻腔に生えている「せん毛」の動きが弱まるため、細菌やウイルスを自然孔に運ぶ働きが悪くなり、細菌やウイルスを排除しにくくなります。

 その結果、細菌やウイルスが増殖し、急性副鼻腔炎、いわゆる蓄膿症が引き起こされるのです。

 一方、上顎の歯が炎症を起こすと、上顎洞まで波及し、歯性上顎洞炎になることがあります。

 原因が炎症を起こした歯なので、片方の鼻腔に起こることが特徴で、上顎洞だけでなく隣接する篩骨洞まで炎症が波及することも。

 症状は鼻が詰まり、頬が腫れて痛くなり、タマネギが腐ったような腐敗臭のある鼻水が出ることが多い。

 治療はまず歯科を優先し、ひどいと抜歯することも。上顎洞の炎症は、通常は抗生剤を使うことでよくなってきます。痛みが強ければ、耳鼻科的に上顎洞に太い針を刺して膿を抜き、液体で洗浄することもあります。

 慢性に移行すると、炎症を起こし詰まった上顎洞の換気管を麻酔下による内視鏡で開けて膿を出し、きれいにするケースもあります。

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大場俊彦

大場俊彦

慶應義塾大学大学院博士課程外科系終了。医学博士甲種日本耳鼻咽喉科学会認定専門医。日本レーザー医学会認定専門医。日本気管食道科学会認定専門医。米国耳鼻咽喉科・頭頸部外科学会フェロー。国際レーザー専門医。厚生労働省補聴器適合判定医・音声言語機能等判定医。日本耳鼻咽喉科学会騒音性難聴判定医・補聴器相談医。