ナッツでボケ防止

　クルミなどのナッツを加えた地中海食が加齢性の認知機能低下の対策に役立つ――。こんな研究結果が、「ＪＡＭＡ（米国医師会雑誌）」に最近発表された。

　研究に参加したのは、心血管リスクが高いものの認知機能は良好な５５～８０歳の４４７人。彼らを①地中海食＋エクストラバージンオリーブオイル②地中海食＋ミックスナッツ③低脂肪食の３群に分け、約６年にわたり、①～③の食事を続けてもらった。

　追跡調査の終了時に行われた神経心理学的検査の結果、軽度の認知機能障害が合計３７例見つかった。内訳は、①が１７例（１３・４％）、②が８例（７・１％）、③が１２例（１２・６％）と、ミックスナッツを取っていた群が最も少なかった。さらに、ほかの群に比べ、ミックスナッツ群は記憶力も有意に改善したことが判明した。

　②が認知機能低下の対策に役立つ理由として、専門家はミックスナッツのもたらす高い抗酸化・抗炎症作用に注目。研究を行ったエミリオ・ロス博士は、研究開始時の参加者の平均年齢は６７歳であることから、何歳から食べ始めても「手遅れでは決してない」とコメントしている。

　地中海食はオリーブオイル、穀物、新鮮（乾燥）果物、野菜、適量の魚と乳製品と肉、たくさんの香辛料から構成。２０１０年、ユネスコ無形文化遺産に登録された。