漢方達人をめざせ!

登校拒否の親子に

 登校拒否中のA君(10歳)は数週間に1回、お母さんと一緒に私の薬局に来ます。学校には行きたくない。でも、行かないで自宅にこもっているのは、心身ともに疲弊します。食欲もなくなる。これは、A君だけではなく、お母さんも同じ。

 そんな時、西洋医学なら適した科は心療内科や精神科になるのでしょうか。ただ、「不調」とはっきりいえるほどのものでなければ、西洋医学の科は対処が難しいかもしれません。カウンセラーの元を訪れる手もありますが、「食欲がない」といった相談に対して、体の調子を良くする薬を出したりすることはできません。

 そこでA君たち親子は、漢方薬局にいらっしゃるようになったのです。漢方薬は足りないものを補い、過剰なものは減らすという、「平衡を保つ」ことは得意。A君とお母さんの話を毎回聞いていると、気が不足していると感じます。補中益気湯、香蘇散、苓桂朮甘湯といった気を補う目的の漢方薬を、その日の症状に応じて処方しています。健全な体に健全な精神が宿る。その逆もしかり。漢方薬で体が元気になっていくにつれ、A君は心も元気になっていき、お母さんも不安や焦りがなくなっていきました。A君はもうすぐ学校に行けそうです。

 一般的に考えて、“意外なところ”にも効果を発揮するのが漢方薬。ちょっと困ったら、まずは漢方薬局を頼ってくれるようになるといいな、と思います。

久保田佳代

父は乳児院院長、母は薬剤師、長女は歯科医、次女は眼科専門医という医療一家に産まれたが、昨今の臓器医療である西洋医学とは違い、人に向き合い、カラダとココロの両面から治療が行える漢方を志し20余年経つ。昭和薬科大学卒業、老舗漢方薬局を経て、「氣生薬局」開局。サプリメントアドバイザー、漢方茶マイスター、日本プロカウンセリング協会1級など多数資格取得。「不妊症改善における実力薬局100選」に選ばれている。