漢方薬は特に、処方をする時に薬の説明を十分にすることが大事。前回、「瞑眩」という好転反応についてお話ししましたね。瞑眩が出ることがあらかじめ予想される場合は、こんなふうに話します。
「症状が悪化したように感じるかもしれませんが、それは薬が効いている証拠です。一時的なもので、その後にはよい効果が出てきます。漢方薬は水溶性なので体に滞留している時間もそう長くありませんから、心配でしたら1~2日お休みして、処方した量は最後まで飲みきるようにしてくださいね」
さらに、絶えず連絡を取れるようにして、少しでも不安を減らすようにします。
なぜなら、東洋医学には「氣」の概念があって、不安やストレスが症状悪化につながることが往々にしてあるから。
「弱めの漢方薬に替えたから大丈夫よ」と力強く言うことで、瞑眩が軽減するケースは珍しくありません。本当は「強め・弱め」なんてない場合も多いのですが、薬剤師の私が太鼓判を押すことで、不安が消え、漢方薬がいいように働くのです。
漢方達人をめざせ!