レジリエンス高め若々しく生きる

フランス人は高カロリー食なのになぜ心筋梗塞が少ないのか

 アメリカ国立老化研究所は、一流科学誌「Cell」にアンチエイジング=レジリエンスを高めるために効果的な7つの方法を発表しています。

 この論文で報告されている方法は、3種以上の生物種で長寿に有効と確認され、かつ世界中の3つ以上の医学論文で有効とされているものです。今回は「レスベラトロール」について解説しましょう。

 レスベラトロールは、赤ワイン、ブドウの皮、ピーナツの薄皮に含まれるポリフェノールの一種です。1日150ミリグラムを1カ月間摂取すると、ヒトにおいて長寿遺伝子といわれるサーチュイン遺伝子が活性化して、インスリンの効きやすさ(インスリン感受性)が改善され、血糖値が下がり、血圧が下がります。つまり、抗メタボ効果が表れることがわかりました。

「フレンチ・パラドックス」という言葉があります。フランス人は、毎日のようにチーズ、フォアグラ、肉といった高カロリーなフランス料理を食べているのに、欧州各国の中でダントツに心筋梗塞が少ないことが知られています。このパラドックス(逆説)を表す言葉です。

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江田証

江田証

1971年、栃木県生まれ。自治医科大学大学院医学研究科卒。日本消化器病学会奨励賞受賞。日本消化器内視鏡学会専門医。日本ヘリコバクター学会認定ピロリ菌感染認定医。ピロリ菌感染胃粘膜において、胃がん発生に重要な役割を果たしているCDX2遺伝子が発現していることを世界で初めて米国消化器病学会で発表した。著書多数。