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【腫瘍IVR】 国立がん研究センター 中央病院・IVRセンター(東京・築地)

国立がん研究センターの荒井保明センター長(C)日刊ゲンダイ

 しかし、広く普及させるにはエビデンス(科学的根拠)が必要。荒井センター長は、2002年に腫瘍IVRを臨床試験により評価する「日本腫瘍IVR研究グループ(JIVROSG)」を結成。現在、全国90以上の施設がデータ作りに参加している。

「JIVROSGで行った臨床試験では、さまざまな緩和IVRにより若干の相違はありますが、症状が改善する頻度はおおむね70%前後でした。どのような症例に活用できるかの判断には専門的知識が必要ですが、選択肢のひとつとして多くの方に知っていただき、活用していただければと願っています」

 がんによる苦痛が取り除かれることにより、がんは変わらなくとも体の状態が見違えるように良くなり、経過まで良くなるケースも少なくないという。同センターでは、他の医療機関からの相談窓口も設けている。

 1962年に創設された日本のがん医療の中核拠点病院。千葉県に東病院をもつ。
◆スタッフ数=医師6人(うちIVR専門医4人)、看護師5人、診療放射線技師5人
◆IVR治療数=年間約4200件(がんの局所治療6割、緩和治療4割)

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