仕事と治療は両立可能 「がん」で会社を辞めてはいけない

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

■つらい副作用と手を切るのも可能な時代

 水上院長は、「治療をうまくいかせるためにも、仕事をして社会と関わっていることが重要」と考えている。

「不安は、肉体のつらさを何倍にも膨れ上がらせます。退職や休職で自宅にいれば、病気への不安、経済的な不安、再就職の不安は一層高まり、ストレスが増し、免疫力にも影響を与えます」

 水上院長が担当した64歳男性は会社役員。5年半前にステージⅢの進行性大腸がんが見つかり遠隔リンパ節転移もあった。手術後、仕事を続けながら抗がん剤治療を受けた。抗がん剤の副作用があっても、「仕事をしていると気がまぎれる」と辞めることはせず、半休を取ったり、無理のない勤務をしながら対処した。現在はまた仕事の第一線で活躍している。

「適当に休みながら、とにかく仕事を辞めない。ある程度、会社の理解は必要とはいえ、自分から進んで辞めてはいけない」

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