仕事と治療は両立可能 「がん」で会社を辞めてはいけない

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 医師からは「抗がん剤治療は副作用がつらい。仕事を続けながらの治療は困難」と言われ、職場でも「治療に専念したほうがいい。仕事なんて、いつでも再開できるのだから」と言われた。結局、Aさんは辞表を出した。

 ところが、抗がん剤治療はうまくいき、2年後には転移がんがすべて消えた。残っているのは胃の原発がんだけとなり、手術で切除。その後、10年経っても再発していない。

 Aさんは体は元気を取り戻したが、再就職先が見つかっていない。子供はいま高校生で、大学まで進学させたいと思っている。しかし、妻のパートの給料とこれまでの貯金を切り崩しながら生活している現状では難しい。今後、再発した場合、治療費を払えるだろうかという不安もある。Aさんは「抗がん剤治療の副作用には有休でも対処できた。仕事を辞めたことを猛烈に後悔している」と話している。

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