当事者たちが明かす「医療のウラ側」

欧米が検証 コレステロール値検査に“絶食不要”の時代到来

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 もともと、デンマークなどは空腹時以外の検査値を使っています。それで何ら問題ないということでした。そこで、米国、デンマーク、カナダの30万人超を対象とした検証を行った結果、今回の声明になったというわけです。

 実際、空腹時のコレステロール値と非空腹時のコレステロール値を比較したところ、食後1~6時間最高変化の平均値は、トリグリセライド、総コレステロール、LDL(悪玉)コレステロール、リポ蛋白などで非空腹時の値がやや高くなったものの、HDL(善玉)コレステロールやアポリポ蛋白などでは変化がなかったそうです。

 ならば、検査前の食事をOKにして健康診断の受診者を増やした方が、病気を発見する可能性が高くなると考えられます。最初の健康診断で「要検査」となれば、その時初めて空腹時に注目すればよいのです。

 ただし、血糖値は食事前と後ではまったく違います。現実にはこちらの検査が「絶食不要」と判断されるまでは、「前日の21時までに食事を済ませてください」との指示からは逃れられそうにありません。

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