増税先送り会見の翌2日、東京市場の平均株価は前日終値から400円近く急落して引けた。この日以降、1万7000円の壁を越えられない状態が続いている。
本来、増税先送りは消費を刺激するため、企業にとってプラスの効果が見込まれるはずだ。株価だって上向いて当然である。それが逆の動きになっているのは、国の借金が野放図に拡大することへの不信感が大きいのだという。
経済評論家の斎藤満氏が言う。
「増税先送りはマッチを擦るようなもの。一時的に暖を取れたとしても、長くは続きません。しかも今回は、秋以降の補正予算編成とセットになった先送り。寒さはどんどん増していく。経済成長によって税収がどれだけ増えるかを示す税収弾性値は、現在せいぜい2ぐらいです。つまりGDP1%成長で増える税収は2%程度。日本のGDPは500兆円で税収がざっと50兆円だから、仮に補正で5兆円の税金を投じてGDPを1%押し上げても、増える税収1兆円。差し引き4兆円はどこかに消えてしまう。これを繰り返せば、国庫は空っぽです」
消費増税先送りで「3年後」はどうなる