専門医が病気になったら飲む薬

【高血圧】上が140超えたら「カルシウム拮抗薬」

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 売上高で見ると、最新のARBが人気で、上位30薬品のうち5つのARBがランクイン。カルシウム拮抗薬は圏外だ。なぜ売れていない薬をチョイスするのか。

「カルシウム拮抗薬の方が、ARBより目標の血圧に達する割合が高いのです。60歳以上だと、カルシウム拮抗薬は7割が目標を達成しますが、ARBは3割。この点から、明らかにカルシウム拮抗薬です」

 ARBは新しい薬だけに薬価が高く、1年間の薬代は3割負担で1万5000円前後になるケースもあるが、カルシウム拮抗薬ならその3割程度の5000円ほどで済むから家計にも優しい。

「米国の研究で、上の血圧を120未満に下げるグループと140未満に下げるグループに分けて比較した結果、血圧をより下げた方が心筋梗塞や脳卒中の発生率が37%少なかった。つまり、血圧は低ければ低いほどいいということがハッキリしています。その点から、新薬より血圧を下げる効果に優れるカルシウム拮抗薬を選ぶ方が理にかなっているのです」

 必ずしも新薬がいいということではない。新薬に頼っている人は、一考の余地があるだろう。

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