高温多湿な環境、冷たいものの取り過ぎ、冷房による冷え、久しぶりの帰省……。夏に受けたさまざまなストレスによって引き起こされる“心の動脈硬化”は、胃腸障害を招きます。
ストレスにより胃腸の調子を崩す一因は、「ホルモン」にあります。ストレスがかかると、脳の視床下部という場所から「CRF(コルチコトロピン・リリーシング・ファクター)」というホルモンが分泌されます。CRFには胃の運動機能を抑え込む作用があって、胃がもたれたり、重い感じをもたらすのです。
対照的に、CRFには大腸の運動を異常に増す働きもあります。そのため、お腹がゴロゴロしたり、腹痛が出たり、ひどくなると下痢をするようになってしまうのです。
こうしたストレスによる胃腸の不調を抱える患者さんに対しては、トラベルセラピーを指導しています。最近、「旅行をすると健康になる」という客観的データが報告されています。
夏バテ胃腸は秋口に立て直せ