夏に調子を崩した胃腸は、早い段階で立て直さなければいけません。回復法のひとつとして、「胃腸のセンサー」を利用する方法があります。
人間の舌には味覚を感じるセンサーが備わっていて、甘味、苦味、酸味、塩味、うま味などを感じています。しかし、実は舌だけではなく、胃腸も味を感じていることが最新の研究で分かってきました。
たとえば、唐辛子に含まれる「カプサイシン」や、ワサビに含まれる「アリルイソチオシアネート」を感じるセンサー(レセプター)が、胃腸には存在しています。カプサイシンを感じているレセプターは「トラップ・ブイ・ワン(TRPV1)」と呼ばれ、さまざまな体の痛みを感じるセンサーでもあります。
遺伝子操作によって、このTRPV1が働かないマウスをつくると、寿命が長くなることが分かりました。マウスにがんができてもその数は減少し、認知症になりにくくなり、運動能力の低下も見られなくなり、糖尿病も予防できました。体力を示す酸素消費量やインスリンの基礎分泌が高まり、代謝も改善しました。痛みを感じないようにすると、より健康的に生きることができるようになったのです。
夏バテ胃腸は秋口に立て直せ