高齢者は、若年成人に比べて睡眠の質が低下します。ぐっすり眠る睡眠を「徐波睡眠」といいますが、この割合が減少して「浅い睡眠」の割合が増加します。その結果、寝つきが悪くなったり、何度も目が覚める「中途覚醒」が多くなります。そのため、高齢になって不眠に悩み、睡眠薬を服用するようになるケースも少なくありません。しかし、安易に睡眠薬を飲んではいけません。
不眠には、他にもうつ病、譫妄、むずむず脚症候群(restless legs syndrome)、皮膚のかゆみ、頻尿など、さまざまな原因があります。睡眠薬を飲む前に、まずは「不眠の原因」に対応する必要があります。
他の病気がある場合は、そちらを治療しなければなりませんし、生活習慣の見直しも大切です。規則正しい起床と就寝、朝の日光浴、適度な運動、昼寝の制限、アルコール・ニコチン・カフェインの制限などで改善するケースもあります。
年を取ったらクスリを見直せ