病院は本日も大騒ぎ

「点滴の速度を間違えた」「酒を持ち込む患者見逃した」

 もうひとつは、私の担当だった肝臓を悪くして入院していた患者さんが、お酒を隠して病室に持ち込み、飲酒していたことです。

 このような「ヒヤリハット」報告書を提出すると、看護師長や主任を中心にナースセンターや会議室で病室担当の看護師の聴取が行われます。なぜ、こんなミスを犯したのか。同じミスを二度と起こさないためにはどうしたらいいかなどを討議するのです。

 当時、私は上司から「どうしてこんなミスを?」程度のお叱りで済みました。でも、経験が浅い若い看護師の場合は、教育のために激しく叱咤されることもあります。

 マジメな看護師は、休日になると書店に行き、「看護師ヒヤリハット」といった類いの本を購入して勉強していますが、ミスの原因が性格にあるタイプは簡単には直りません。中には、インシデントリポートを書く前に、先輩看護師に“罪”を告白し、「怒られないためにはどんな書き方をすればいいのか」を相談している人もいます。

 まあ、そんなことをしても、結局はきつく怒られるんですけどね。

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