役に立つオモシロ医学論文

腰痛には“プラセボ”が効く?

 腰痛の重症度は、軽症から重症まで0~10点で評価し、研究開始時からの点数変化を検討しています。

 その結果、腰痛の重症度は研究開始時に比べ、標準的な腰痛治療を受けたグループでは5%改善したにとどまりましたが、プラセボを服用したグループでは28%も改善しており、グループ間の差は統計的にも有意でした。

 さらに、腰痛に関連した身体機能の障害も標準治療を受けたグループではほとんど改善しませんでしたが、プラセボを服用したグループでは29%改善していました。

 プラセボであることを知ったうえで服用しても、これほどまでに治療効果が示されるとはやや驚きです。

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青島周一

青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。