役に立つオモシロ医学論文

勉強熱心な医師が不在でも安心して入院できるのか

(C)日刊ゲンダイ

 勉強熱心な医師が病院に不在である学術大会開催期間中の方が、死亡リスクが高いと思われるかもしれません。しかし、教育病院における高リスク患者では、心不全や心停止で入院した患者は学術大会開催中の方が死亡リスクが低いという結果でした。なお、非教育病院や低リスク患者では明確な差はありませんでした。

 すべての医師が学術大会に参加するわけではありませんし、勉強熱心な医師がいない方が死亡リスクが低いということではないと思います。この研究から言えるのは、学術大会開催中でも医療の質が低下することはないということかもしれません。

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青島周一

青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。