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【前立腺肥大症手術】湘南鎌倉総合病院・泌尿器科(神奈川県鎌倉市)

湘南鎌倉総合病院・泌尿器科の三浦一郎部長(提供写真)

 そのため、症状が悪化して尿がまったく出なくなる「急性尿閉」を繰り返すような人では、尿道にカテーテルという管を留置し、定期的な交換が必要になる。痛みも伴うため、生活の質が著しく低下する。

「PVPの大きな利点は、術中の出血量が非常に少ないことです。ですから、抗凝固薬などを服用している患者さんでも安全に手術をすることができます。術後の尿道カテーテルも1日で取れて、低ナトリウム血症などの合併症のリスクも少ない。TUR―Pの課題が、ほとんどクリアできるようになりました」

 PVPはTUR―Pと同じ内視鏡手術になる。しかし、出血量が極端に少ないのは、肥大した組織を“切る”のではなく、特殊な緑色レーザー光を組織に当てて瞬時に“蒸散”させるからだ。手術は下半身(腰椎)麻酔で、所要時間は1~2時間。入院期間も従来は約10日だったのが、約5日で退院できる。また、術後に勃起障害や失禁が起こることはほとんどない。

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