医者も知らない医学の新常識

手荒れしにくくなる? 手洗いは冬でも「水」がいい

皮膚の健康を守る(C)日刊ゲンダイ

 外出先から戻った時に手を洗っていますか? 風邪の予防に「帰宅後の手洗いが良い」というのは、科学的にも証明されている事実です。

 2012年のスペインの研究では、「手洗いをマメにする人はインフルエンザの感染が40%も予防された」という結果が出ています。特に電車や病院など、細菌やウイルスがたくさんいることが想定される場所から帰った時に効果が高いのです。この場合の手洗いは、アルコールなどの消毒剤を使用しなくても、普通のせっけんでしっかり洗うだけでいいのです。

 ただ、せっけんにも界面活性剤という汚れを浮かすような成分が含まれていて、この界面活性剤を繰り返し使用すると、「接触皮膚炎」という手荒れの原因になります。この手荒れが起こると、皮膚の感染予防の働きも低下してしまうのです。

 実はこの皮膚炎が起こりやすいかどうかは、手洗いに使う「水の温度」に影響されることが証明されています。1995年の研究ですが、「4度」と「20度」と「40度」の温度の水で手洗いを繰り返したところ、皮膚が一番傷まなかったのは、4度の水による手洗いでした。

 冬は水が冷たく、手洗いや洗い物にはつらい季節ですが、お湯は使わず、水を使って手を洗うことが、皮膚の健康を守るためには大事なことのようです。手洗いは冷たい水が正解なのです。

石原藤樹

信州大学医学部医学会大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。