数字が語る医療の真実

乳がん検診2つの害 「偽陽性と被ばく」どう考えるべきか

乳がんの啓発キャンペーン「ピンクリボン」/(C)AP

 マンモグラフィーによる乳がん検診により、「乳がん死亡が減ることを示す研究がある」一方で、「その効果は小さく、質の高い研究に限ればはっきりしない面もある」というのが現状です。

 その小さな効果に対して、「害」のほうはどうなっているでしょうか。

 害については、2つの問題があります。マンモグラフィーで乳がんの疑いとされたにもかかわらず、精密検査でがんではないと診断される「偽陽性の問題」と、X線を使うことによる「放射線被ばくの問題」です。

 2009年のアメリカの報告では、40代の女性が1000人検診を受けると100人、60歳では80人の偽陽性者がいると報告されています。

 もちろん、最終的にがんではないと分かって安心といういい面もありますから、偽陽性くらいなら検診を受けるという人が多いかもしれません。

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名郷直樹

「CMECジャーナルクラブ」編集長。東大薬学部非常勤講師。東大医学教育国際協力研究センター学外客員研究員、臨床研究適正評価教育機構理事)自治医科大卒。名古屋第二赤十字病院にて研修後、作手村国民健康保険診療所にてへき地診療所医療に携わる。95年同診療所所長。05年東京北社会保険病院臨床研修センター長。「『健康第一』は間違っている」などの著書がある。