当然私は「もし今度持ち込んだら、担当の先生に知らせますからね」と、やんわりと忠告をしました。
その後、この患者さんは強めの口臭剤を使用するようになっています。
■堂々と飲める人
また、いつも「一杯飲みたいなあ」とささやいていた長期入院の患者さんがおりました。
終末を迎えているがん患者さんで、もう余命がいくばくもなかったのです。
本人も死を迎えることに気が付いていたのでしょう。かすれた声で、遺言のように、「一杯飲みたい」とつぶやき、舌で唇をなめておられました。
「元気になったらいくらでも飲めますよ!」と、励ましながら、担当医師と相談し、日本酒をコップに少しついで枕元に持っていきました。においをかいで、すぐ酒と分かったのでしょうね。
血の気のない青白い顔に、ニコッと笑顔を見せましたので、コップの縁を口元につけてあげました。でも、飲める体力はもうありません。その数日後、天国に旅立たれました。
病院は本日も大騒ぎ