あの話題の治療法 どうなった?

「目の体操」で網膜剥離になる可能性も

硝子体線維の揺れが引き起こす(C)日刊ゲンダイ

 以前、目を上下左右に動かすことは、目の老化防止につながり、健康にいい、とブームになったことがある。覚えている方もおられるだろう。

 走るなどして筋肉を鍛えれば健康になる。それと同じでもっともな話だ。そう納得して実行した人もいるはずだ。

 もともとは、ある眼科専門医以外の医師が提唱したのがキッカケだそうだが、これに異を唱える眼科専門医は多い。この目の運動によって、網膜剥離を起こすリスクがあるからだ。

 首都圏のある眼科専門医も「眼球を動かす運動を毎日行っていたら、目が見えなくなった」という中年女性を診察したところ、「網膜剥離を起こしていた」という。

 幸いこの女性は手術をすることで視力を回復したが、すべての患者がこうした幸運に恵まれるわけではない。

 なぜ、眼球の運動をすると網膜剥離を起こすリスクが高まるのだろうか? そのメカニズムは以下のようだと言われている。

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