Bさんが80代の父親の異変に気付いたのは昨春だった。自宅近くの中規模病院へ連れて行くと、神経内科での検査の結果、右海馬に小さな梗塞が見られ、入院して治療を受けることになった。
2週間の入院で脳梗塞の治療は終了。しかし、退院時には別人のようになっていた。歩けなくなり、興奮状態が続き、「宗教施設に連れて来られた!」と騒ぐ。
「母親も私も、父親の介護で精神的に追い詰められました。そんな時ケアマネから『精神病院なら医療負担1割』と聞き、渡りに船と、半ばだまして入院させました」
■無知は罪
その方が父親のためになると思ってのことだったが、すぐに後悔に変わったのは、Aさんと同様だ。このままでは父親が殺される! 冒頭の「かいご楽快」を主催する「NPO法人つどい場さくらちゃん」の丸尾多重子さんへ助けを求めた。
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