健康投資も二極化の時代…医師が指摘「ほどほどが一番」

話をしてくれた東大医学部付属病院放射線科の中川恵一准教授/(C)日刊ゲンダイ

 PETでよく見つかるがんのひとつに、女性に多い甲状腺がんがある。ところが、甲状腺がんは良性で放置しても問題ないケースが少なくない。それでも、「がん」と診断された恐怖から、患者は手術を選び、切除すると、分泌できなくなったホルモンを補うため一生薬が手放せなくなる。

「高い費用を払って不利益を被っている恐れがあるのです。検診でPETは受けない方がいい」

 日本人に多いがんは胃がん、大腸がん、肺がんなどで、この中でPETが見つけやすいのは大腸がんだけ。残りの2つは見逃しやすい。得意の大腸がんだって、PETは被曝リスクがあるが、検便と内視鏡を組み合わせれば被曝リスクなしで低料金で済む。検便なら1000円ほど。高所得者が健康投資を無駄遣いしている一例がこれだ。

■低所得者ほど検診受診率が低い

 保険制度は、公務員対象の共済組合、大企業向けの健保組合、中小企業対象の協会健保、自営業者をカバーする国民健康保険に主に分かれる。

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