受診までの「応急処置」

【鼻血の止血】小鼻を親指で強く圧迫する

首の後ろをたたくのは全くの間違い(C)日刊ゲンダイ

 鼻血は誰でも経験のある馴染みの症状。しかし、短時間に何度も繰り返してなかなか止まらない場合、間違った止血方法をしていることが多い。耳鼻咽喉科・日本橋大河原クリニック(東京)の大河原大次院長が言う。

「鼻血の8~9割方は、鼻の穴から1センチほど奥の左右の穴を隔てている鼻中隔の前部からの出血です。ここは『キーゼルバッハ部位』と呼ばれ、2系統の動脈が走っていて毛細血管が集中しています。そこの粘膜は非常に薄いので、はなを強くかむ、鼻をほじるなどのちょっとした刺激でも出血しやすいのです」

 出血部分が鼻の穴の入り口に近いところなので、昔から言い伝えられている「首の後ろ(うなじ)をたたく」「目頭に近い鼻の付け根の部分をつまむ」といった止血法はまったく効果がないという。

 鼻血が出たら、体を横にする(寝る)のもよくない。出血部が心臓の高さより低くなると血流が増すからだ。止血するときの姿勢は椅子に座ってリラックスする。そして、ティッシュや綿を丸めて鼻の穴に詰める。ここまでの処置は大半の人がやるだろうが、ポイントはここからだ。

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