病院は本日も大騒ぎ

高齢者看護に罪悪感はつきもの「身体拘束も仕方ないと」

 関東圏にあるクリニックに勤務している看護師のキョウコです。

 私は以前、どんな患者さんも受け入れると評判の良心的な病院に勤めていたことがあります。代々お医者さんの一家が経営している民間病院で、地域密着がウリでした。

 勤めてみると、「どんな患者さんも受け入れる」ということがいかに大変かがわかりました。患者さんの中には、認知症の方もいらっしゃいます。手術をした当日に点滴などを勝手に外して夜の病棟を徘徊する患者さんも実際にいるのです。

 病院によっては、それを避けるために睡眠薬や安定剤を使って“おとなしくしてもらう”こともあるでしょうが、良心的な病院ですからそれはやっていません。もちろん、ベッドから落ちたり、徘徊しないようにベルトで体を拘束することもありませんでした。

 ただひたすら、夜勤の看護師が危険のないように患者さんを見張り続けるのです。私はすぐにその病院を辞めましたが、あのまま残っていたら、心身とも疲れ切ってボロボロになっていただろうと思います。

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