いまさら聞けない歯科インプラント

いつまでもつか? 世界最初のチタン患者は40年以上

日頃のケアが大事(C)日刊ゲンダイ

 現在のように人工歯根にチタンが使われるようになったのは1952年のこと。スウェーデンのブローネマルク博士が、血液循環の研究のためにウサギの骨に埋め込んだチタン製器具が、骨と結合して離れなくなったことを偶然発見したからだ。その後、ブローネマルク博士はチタンの生体親和性に着目。13年間研究した結果、骨と金属が一体化することを意味する「オッセオインテグレーション」が完成したという。

 ブローネマルク博士は65年に、歯をすべて失った患者の下顎に4本のチタン製インプラントを4本埋入。その1カ月半後に人工歯冠を装着して咬合治療を行った。世界初のオッセオインテグレーション・インプラントは、臨床患者が亡くなる2007年1月までの41年間、体の中で機能し続けたという。このオッセオインテグレーション・インプラントが10年以上機能する率は96%以上ともいわれ、現在のインプラントの基礎となった。

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