役に立つオモシロ医学論文

短時間の過度な飲酒で外傷リスクが25倍に増える

足元がふらつくまで飲むのは危険(C)日刊ゲンダイ

 その結果、調査対象者全体の52.9%にあたる1151人(男性693人、女性458人)が、過去1年に1回以上、ビンジ飲酒をしていたことが分かりました。また、調査対象者全体の4.9%にあたる107人が、過去1年に1回以上の飲酒関連外傷を経験していました。この107人のうち、実に97.2%にあたる104人がビンジ飲酒をしていました。さらに統計的な解析を実施したところ、ビンジ飲酒をすると飲酒関連外傷のリスクが25倍も増加することが示されました。

 短時間での過度の飲酒は急性アルコール中毒だけでなく、外傷のリスクも大きく増加することが示されています。未成年の飲酒や急性アルコール中毒のみならず、ビンジ飲酒と外傷についても十分な啓蒙が必要でしょう。

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青島周一

青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。