医者も知らない医学の新常識

接種を取りやめる医療機関も インフルエンザワクチン不足の理由

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 今年も10月1日からインフルエンザの予防注射が始まりました。しかし、いつもなら早めのワクチン接種が勧められるところですが、今年はちょっと事情が違っています。供給されているワクチンの量が非常に少ないため、予約はしてもまだ接種を始めていない医療機関が多く、今年は接種自体を取りやめる、というところまであるようです。

 なぜ今年のインフルエンザワクチンは不足しているのでしょうか? インフルエンザのワクチンには4種類の抗原が含まれていますが、そのうちのひとつを新しくしたところ、それをうまく増やすことに失敗。途中で急きょ昨年と同じ抗原に切り替えたというのが真相のようです。

 このために普段より大幅に作る時期が遅れてしまい、いつもなら10月の初めには十分な量が供給されているところが、年末くらいまでずれ込む見通しなのです。インフルエンザが最も流行するのは、通常12月の後半から来年の1月くらいにかけてです。本来は11月の中旬までには接種を完了するのが望ましいのですが、それを達成するのは難しい状況です。

 こうした時にはお子さんやお年寄り、肺の病気のある方など、ワクチンの必要性の高い人に優先的に接種するのが大事なことで、少ないワクチンを有効に活用することが、今年は必要になりそうです。

石原藤樹

信州大学医学部医学会大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

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