クスリと正しく付き合う

「糖尿病の薬は飲み始めたらやめられなくなる」は大きな勘違い

血糖値をコントロールすれば減薬できる(C)日刊ゲンダイ

 糖尿病は血糖値が高くなる病気で、1型糖尿病と2型糖尿病があります。1型糖尿病はインスリン(血糖降下物質)を体内で作ることができないので、治療は投薬によるインスリン補充しかありません。一方、2型糖尿病は糖尿病患者の99%を占めています。生活習慣病として知られているように、加齢に伴い食生活や運動習慣に応じて発症します。

 高血糖は、昏睡を引き起こしたり、インスリンを作り出す膵臓にダメージを与えてさらに高血糖を助長する「糖毒性」と呼ばれる負のスパイラルをもたらします。さらに恐ろしいことに、3大合併症と呼ばれる腎症、網膜症、神経症によって、人工透析を受けなければならなかったり、失明したり、手足切断の可能性が出てきたりと、非常にリスクの高い病気といえます。そのため、予防と治療は必須です。

 糖尿病の治療に用いられる内服薬は、大きく3種類に分けることができます。①インスリン抵抗性改善薬②インスリン分泌促進薬③糖吸収・排泄調節薬です。①はインスリンの効きをよくする②はインスリンの分泌をよくする③は糖の吸収を抑える、または排泄を促進することで、血糖値を下げます。細かく分類すれば、実に7種類もの内服薬があります。一般的には1剤から始め、効果が不十分な場合には違う作用の薬を2~3種類用いて治療します。

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神崎浩孝

1980年、岡山県生まれ。岡山県立岡山一宮高校、岡山大学薬学部、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科卒。米ロサンゼルスの「Cedars-Sinai Medical Center」勤務を経て、2013年に岡山大学病院薬剤部に着任。患者の気持ちに寄り添う医療、根拠に基づく医療の推進に臨床と研究の両面からアプローチしている。

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