健康は足元から 整形外科医が教える体にいい靴の選び方

市販の靴ならオーダーメードの中敷きを(C)日刊ゲンダイ

 ところが、中高年になって体重が増え、老化が進むとこのアーチが崩れてしまう。足のクッション機能が衰えて、足底の筋に負担がかかり、歩くと疲れやすくなる。

「太った中高年はよく足底筋膜炎を起こします。足底のかかと部分と踏みつけ部分を結ぶ強靱な筋である足底腱膜のかかと部分に細かな断裂が生じて、歩くときに刺すような痛みが出る病気です。それが起こるのも足のアーチが崩れるからです」

 靴選びのポイントは足の甲が余り過ぎたり張り過ぎたりしない、つま先に1センチ程度の余裕がある、かかとのすき間に指1本入る余裕がある、靴の底が足の指の関節部分で曲がる、くるぶしに当たらないなどがある。しかし、一番大切なのはアーチを復活させてクッション機能を回復させることだと水井院長は言う。

「それをかなえるにはサイズが決まった市販の靴では難しい。だからといってわざわざ整形外科で靴を作ってもオシャレじゃないからと履かないのでは意味がありません。現実的に考えれば、靴と足に詳しいお店でアドバイスをもらい気に入った市販の靴を買い、整形外科でオーダーメードの中敷き(インソール)を作ってフィットした靴にするのが賢いやり方です」

 中敷きは作る場所により費用は数千円から1万円を超えることもある。

 健康のため連休中に体を動かすのはいいが、健康はまず足元からである。

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