意外に知らないホルモンの実力

【甲状腺】昆布などの過剰摂取でホルモン産生は低下、弊害も

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 作用が全身に及ぶため、甲状腺疾患で甲状腺ホルモンの分泌が過剰になったり、不足したりすると、全身にさまざまな症状が表れる。分泌が過剰になる甲状腺機能亢進症の代表格がバセドー病。代謝が激しく高まるので、手足のふるえ、動悸、多汗、体重減少、下痢、高血糖などが起こる。特に眼球が飛び出してくるのが特徴的な症状だ。

 分泌が不足する甲状腺機能低下症(橋本病など)では、体のだるさ、寒がり、便秘、体重増加、むくみなどバセドー病とは反対の症状が表れる。バセドー病や橋本病は、自分の免疫が間違って甲状腺に作用してしまう自己免疫疾患が原因とされている。

「年を取ってきて、加齢による甲状腺機能の低下でも同じような症状が表れやすくなってきます。また、甲状腺機能低下を起こす要因としてヨウ素の過剰摂取があります。甲状腺ホルモンの原料としてヨウ素は必須ですが、過剰摂取するとホルモン産生が低下してしまうのです。健康食品などで昆布製品を多量に取り過ぎるのは要注意です」

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