これまで、「緑茶は心筋梗塞や脳卒中の発症リスクを軽減させる」という研究結果がいくつも報告されている。しかし今回、国立がん研究センターなどが行った多目的コホート研究によると、緑茶カテキンの血中濃度は脳卒中や心筋梗塞といった虚血性心疾患の発症リスクと関連しない可能性が指摘されている。
日本の9地域に在住していて、がんや循環器疾患の既往がない40~69歳の男女2万9876人を対象に追跡調査を実施。カテキンの血中濃度と脳卒中および心筋梗塞などの虚血性心疾患との関連を調べたところ、男女ともに緑茶カテキンの血中濃度は発症と有意に関連しないことが分かった。
ただ、緑茶カテキンの一種であるEGCGの血中濃度については、喫煙をしていない男性の場合、血中濃度が最も低いグループに比べて最も高いグループでは脳卒中の発症リスクが47%低かったという。
横浜創英短期大学名誉教授で管理栄養士の則岡孝子氏は言う。