HAE発症の2人が証言 診断つかない難病と向き合った苦悩

写真はイメージ(C)John Kelly/iStock

「生き残っているのは運が良かっただけ――」

 日刊ゲンダイ12月13日号の健康ページで「遺伝性血管性浮腫(HAE=エイチ・エー・イー)」を特集した。HAEは生まれつきの病気で、C-1インヒビターというたんぱく質がないために、身体のさまざまな部位に腫れやむくみ、激しい痛みを起こす病気だ。喉頭に浮腫が起こると、窒息死のリスクがある。医師の間ですら認知度が非常に低いため、診断がなかなかつかないのが問題だ。

 この患者会「NPO法人HAEJ」理事長の山本ベバリー・アンさんは10代初めで発症。40年間診断がつかなかった。その間のことを思い出し、冒頭のように話す。

 山本ベバリーさんは国内外の有名病院を受診したが、原因不明。病院不信、医師不信がひどく、顔がパンパンに腫れても、嘔吐が続いても、病院に行かない時もあった。「2012年、ひどい喉頭浮腫で集中治療室(ICU)に運ばれ、挿管されました。その時に、HAEじゃないかとなり、発症から約40年経て確定診断に至った。しかしこの診断を受ける少し前にも喉頭浮腫を起こし、顔も腫れて病院へ行きましたが、抗ヒスタミン剤を処方されただけでした」(山本ベバリーさん)

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