お酒と健康 8つの疑問

脳がマヒ…記憶を失うまで酔っても家に帰れるのはなぜか?

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 酔っぱらうと「実は……」「ここだけの話だけど……」などと普段は決して言わない話をしたり、大声で下ネタを話したり、隠していた性癖が出たり、自慢話や人の悪口を言ったりします。

 これは前頭葉の神経が一時的にマヒした証拠です。突然怒りだしたり、泣いたり、笑いだしたりするのも、この影響だと考えられます。昔から、上司や取引先の人、友人がお酒に誘うのは、こうした秘密の暴露の期待や普段見せない顔を見たいからでしょう。

 お酒を飲むと、真っすぐ歩けなくなったり、転倒したり、ロレツが回らなくなったり、細かい手の動きができなくなるのは、小脳が一時的にマヒするからです。同じ話を何度も繰り返したり、記憶を失ったりするのも海馬に対するアルコールの一時的影響です。

 人が記憶するとき、海馬で一時的に短期記憶をしてから長期記憶に置き換える必要があります。酔っぱらうと同じ話をするのは海馬のマヒで短期記憶ができなくなるためで、同じ話をすることで何とか短期記憶しようとしているからです。

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