「がん家系」に生まれて

今死んでも後悔はない。ただ一つの心残りは夫のこと

モデル・美肌温泉家の朝香さん(C)日刊ゲンダイ

 大腸がんと告げられ、余命を考えはしましたが、「今死んでも後悔はない」という気持ちもありました。これまでそういう生き方をしてきましたから。

 ただ一つだけ心残りだったのが、主人を残していくこと。母が旅立っていくのを見ていましたから、残された側の気持ちがすごく分かる。私は死ぬのが怖くないしつらくないけど、主人を残していくのだけはつらかった。

 大腸内視鏡検査で大腸がんかもしれないと言われ、細胞診の結果を待つまでの4日間、私は「結果が早く分かってスッキリしたい」という気持ちがありました。でも、主人は私を支えようとしっかりしているけど、かなりショックを受けているのが私には分かっていました。「金曜日が永遠に来なければいいのに」と口にしたこともありました。

 ただ、最初にがんかもしれないと言われ病院を出た時、午前中で、すがすがしい天気で、冬で、空気が澄んでいて、太陽も出ていて、空を見上げていたら、「私、いけそうな気がする。勝てそうな気がする」と感じたんです。根拠はないんですけどね。

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