鼻の通りを視覚化する技術を自前で開発 異色の医師に聞く

「あさま耳鼻咽喉科医院」の浅間洋二院長(提供写真)

 最近は、鼻や喉の奥を見る電子スコープや高解像度CTなどを使って「病気の見える化」を目指す耳鼻咽喉科医院は増えている。しかし、患者の鼻の中の気流の動きを流体力学で説明する耳鼻咽喉科医院は寡聞にして知らない。

■患者は手術の成果を目で確認すべき

 同医院ではこのシステムを使い、希望する患者に、手術前に鼻の中の気流の動きをコンピューターの画面上に3D画像で作り上げて説明するという。さらに手術後の理想の気流の動きをシミュレーションし、そのためにどのような手術をするかを検討。患者の同意を得て、手術した後は鼻の中の気流の動きがどのように変わったかを説明するという。

「患者さんは手術の効果がわかりやすいと言ってくださっていて好評です。そもそも鼻の手術は何度もできるわけではありません。その意味で手術前のシミュレーションがとても大事なのです。それなのに今まで、執刀医師の経験で培ってきた感覚で手術が行われてきたことに私は違和感がありました。私の狙いは手術の精度を上げ、患者さんの手術への理解を深めることはもちろんですが、こうした症例の蓄積は手術様式の発展ばかりでなく、人工知能搭載の手術マシンの研究などにも貢献できるのではないか、と考えています」

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