6秒待てば穏やかに 現役医師に学ぶアンガーマネジメント術

“べき”の基準は世代で違う

 あおり運転はその典型だが、最近は怒りを抑えられずに衝動的な行動を取る人が増えているようだ。職場でも理不尽な上司、不真面目な後輩、悪質な顧客など、怒りの種には事欠かない。しかし、怒りを爆発させて我を忘れることは、社内での自分の立場を悪くするだけだ。自分の怒りをコントロールするにはどうしたらいいのか? 日本アンガーマネジメント協会・アンガーマネジメントファシリテーターで精神科医の「上島医院」(大阪府)・渥美正彦院長にその極意を聞いた。

 怒りは、自分の感情に不安や疲労、不快といった負の感情がたまっていった状態に加え、自分にとって許せない出来事が降りかかったときに爆発する。それはあたかもコップから水があふれるように、止めることができなくなったようなものだ。

「しかし、その怒りのピークは実は6秒程度しか持続しません。すぐに相手を怒鳴りつけないで、深呼吸する。いま話すと危ないな、と思ったら、『あとで話すから10分後に来てくれ』と言うなど、最悪の心理状態のときに相手と話すことをやめるのもトラブルを避ける効果的な手段です」

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