膵がんを知る

見つかった時は…手遅れになるまでわからない4つの理由

痛みの箇所も膵がん特有のものではなく分かりづらい(C)日刊ゲンダイ

 膵臓は胃の背中側にある長さ約15~18センチ、幅3~5センチのソラマメのような形をした臓器です。膵頭部、膵体部、膵尾部の3つに分けられます。その働きは①食べ物の消化を促し、胃液で酸性になった食べ物を中和する膵液を分泌して運ぶ②血糖値を下げるインスリンや逆に血糖値を上げるグルカゴン、腸内の水分やミネラル量を調節する血管作動性腸管ペプチドなどを分泌し全身のバランスを保つことです。

 膵臓には消化液を運ぶ膵管が張り巡らされています。膵がんの9割以上はこの膵管の細胞にできますが、膵がんが疑われたときに最初に行われる腹部超音波検査はものによっては、胃や腸の中にあるガスや肥満の影響から観察しづらいのです。ですから私が外来でよく言うのですが、腹部超音波検査で「膵臓に異常なし」と結果が来ても安心はできないことをぜひ知っておいていただきたいのです。

2 / 3 ページ

関連記事