“声の衛生教育”を2カ月 6割以上の人の声帯ポリープ消えた

風邪の時は無理をしない(C)日刊ゲンダイ

「そこで『声の衛生教育』が重要なのです。健康な声を保つための適切な教育のことです。欧米では、声帯ポリープが見つかったらまず言語聴覚士が声の衛生教育を行います。しかし、日本では医師によって意見が分かれます」(角田医師=以下同)

「乾燥やほこりに注意する」「無理な発声の禁止」「大声を出さない」「声が出にくい時は出さない」「風邪の時は無理をしない」などと患者に“教育”を行うのは手間がかかるからだ。言語聴覚士が不足しているという問題点もある。最初から声の衛生教育を行わず、手術を勧める医師も少なくない。

 角田医師が、手術前の声の衛生教育が重要だと考えるのは、次の理由からだ。まず、全身麻酔をかける手術は患者の体に負担をかけること。次に、手術が医療費の負担増になること。さらに、声帯ポリープは原因を解決しなければ、手術で取ってもまたできること。声の衛生教育は、つまりは、声帯ポリープができにくい声の出し方を指導するものなので、再発防止にもなる。

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