「私たち国立病院機構の全国11病院からなる感覚器研究グループは、声の衛生教育の効果を客観的に示すために、世界初のランダム化比較試験を行いました。その結果は、2018年発行の医学誌『Laryngoscope』に掲載されました」
角田医師らは、声帯ポリープと声帯結節(声帯にできるコブ)の患者200人を2つのグループに分けた。具体的には、①医師、言語聴覚士、患者によるチーム医療で啓発DVDなどを用いて声の衛生教育を行う②声の衛生教育について書いたパンフレットを渡し、注意喚起するのみ――という2つのグループだ。
すると2カ月後、①のチーム医療のグループでは61・3%の人で声帯ポリープが消えていた。一方、②のパンフレットを渡されたグループは、声帯ポリープが消えた人が26・3%だった。①の半分以下だ。
■自分ひとりでもできる