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コロナに有効か…世界の研究者がプラズマ治療の臨床実験

血漿サンプルをチェックする大学病院の関係者(ドイツ・エアランゲン市)/(C)ロイター

 世界中の科学者が新型コロナウイルスの一刻も早い治療法や薬の開発にしのぎを削っている中、アメリカで最も注目されている「回復期プラズマ(血漿=けっしょう)治療」(convalescent plasma treatment)の臨床実験が始まり、大きな話題になっています。

 回復期プラズマ治療とは、一度コロナウイルスに感染した人から採った血液中にできた抗体を利用し、その血漿を患者に投与することで、ウイルスと闘ってもらおうというもの。治療自体は100年以上前からあります。

 新型コロナウイルスにこの治療法が有効ではないかと考えた世界中の研究者らが、一致団結して臨床実験へ向けて動きだし、3月下旬にはFDA(米食品医薬品局)がゴーサインを出しました。これは異例のスピードだそう。初の臨床実験は先月、ニューヨークのマウントサイナイ病院と、テキサス・ヒューストンのメソディスト病院で行われました。今後、全米の患者にも広げられる予定です。

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シェリー めぐみ

シェリー めぐみ

NYハーレムから、激動のアメリカをレポートするジャーナリスト。 ダイバーシティと人種問題、次世代を切りひらくZ世代、変貌するアメリカ政治が得意分野。 早稲稲田大学政経学部卒業後1991年NYに移住、FMラジオディレクターとしてニュース/エンタメ番組を手がけるかたわら、ロッキンオンなどの音楽誌に寄稿。メアリー・J・ブライジ、マライア・キャリー、ハービー・ハンコックなど大物ミュージシャンをはじめ、インタビューした相手は2000人を超える。現在フリージャーナリストとして、ラジオ、新聞、ウェブ媒体にて、政治、社会、エンタメなどジャンルを自由自在に横断し、一歩踏みこんだ情報を届けている。 2019年、ミレニアルとZ世代が本音で未来を語る座談会プロジェクト「NYフューチャーラボ」を立ち上げ、最先端を走り続けている。 ホームページURL: https://megumedia.com

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