なぜ「基本再生産数」と「致死率」が注目されるのか?

トランプ大統領が経済活動再開を口にし始めた理由は…(C)ロイター

 現在、多くの国ではじき出されている新型コロナの致死率は、2%前後。致死率は検査数が少なければ高めに、多ければ低めに出る。そのため、先進諸国のなかで、人口当たりのPCR検査数がもっとも多い韓国の「致死率」を参考に、自国の「致死率」が高いか低いかを判断する傾向にある。

 ちなみに米国ジョンズ・ホプキンス大学の集計によれば、4月21日時点で韓国の致死率は2・2%だ。

 これに従えば、各国の致死率はおおむね妥当な数字ということになる。

 ところがここにきて新型コロナの致死率はもっと低いのではないか、との声が上がっているという。新型コロナウイルスは致死率が約10%のSARS(重症急性呼吸器症候群)のイメージが強く、致死率が高いという前提で考えられたのではないかというのだ。

 実際、ダイヤモンド・プリンセス号では、感染者712人に対し、死亡13人(致死率1・8%)。しかも乗客の大半が高齢者だった。また韓国でも、検査は希望者や濃厚接触者しか行わない。そのため、無症状感染者を大量に見落としていて見かけの数字が高くなっている可能性がある。

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