キャリーバッグに詰め込む荷物が自然と増えて、再び病院に向かった。待合室で、診察を待つこと約15分。
「渡辺さ~んと呼ばれて診察室に入ると、医師から『陽性』ですと告知されました。看護師さんからすぐ病室に案内されました」
廊下を歩きながら、“やっぱり! 仕事などいろいろ困るな”と思いましたが、「でも、コロナ感染がはっきりしてよかったなと考え直しました」。
病室は個室。「入院費用は無料です」と説明を受けて、少し安心したという。
看護師は、「あとで保健所の方から連絡がありますので対応してください」と言い残し、部屋から消えた。以後、10日間に及ぶ渡辺さんの入院生活が始まった。
病の克服は患者に聞け